気まぐれ日記

更新は本当に気まぐれです。主にtwitterに書くには長いなと思ったネタを書きます。

地球温暖化懐疑?

最近、どうやら流行っているようですね。

槌田先生やら武田先生の主張、あるいは"The Great Global Warming Swindle"(邦題:地球温暖化詐欺)というのを見て影響された人というのが多いのでしょうか。
そういう方は一度これを見ることをお勧めします。

明日香壽川のペーパー

上記リンクの地球温暖化問題懐疑論へのコメントというpdfです。
58ページほどありますが、論文などを読むのが、特に苦でないかたは直接読まれることをお勧めします。
参考リンクなどもたくさんあり、勉強になるかと思います。

簡単に言うと現状で地球温暖化懐疑論を唱えている人たちは、最新の研究結果を踏まえていなかったり、現状を説明できていないってことが、丁寧に説明されています。

ざっと印象に残ったことを書くと、そもそも温暖化していないという主張は単純に最新の観測データを使ってなくて、海洋等の観測データあるものを無いと勘違いしていたり、ミスの判明したデータの修正前のものを使っておかしいといってることが書かれています。
また、懐疑論者は観測地点のうち全体の数%で気温が下がっているということを強調していますが、数%で下がっていてもほとんどの地点は上がっているのだから、全体傾向としては気温上昇でしょう。

温暖化の原因が二酸化炭素ではないという主張は、温度変化と二酸化炭素の増減とリンクしていない部分を捕らえて、関係していないと主張していますが、そもそも、温暖化の原因は二酸化炭素のみだというような、単純なモデルは誰も主張していなくて、現在のモデル太陽活動の変動も考慮に入れてますし、その他、多くの要素から成り立っています。ずれの部分は現在のモデルでは説明可能な現象です。また、南極の気温が変動していないことも、現在の気候モデルで説明されています。
ちなみに"The Great Global Warming Swindle"(邦題:地球温暖化詐欺)では水蒸気や雲の影響による不確実性を強調して取り上げているようですが、水蒸気が大気の温室効果の主因(80〜90%)であり、その重要性は当然考慮されています。その上で二酸化炭素など温室効果ガスの増加を議論にするのは、水蒸気が吸収しない波長の赤外線を吸収するガスだからです。
そもそも水蒸気の温室効果がなかったら地球なんて寒くて住めません。そこを無視した議論は普通はしませんよね。
ただし、現状では水蒸気の予測に不確実性があるのでは事実ですが、IPCCの議論はそれをきちんと踏まえています。

その上で、重要な点は、20世紀後半の温暖化は、人間の発生させた二酸化炭素増加の影響を考慮に入れたモデル以外では、今のところ説明できていないことです。
懐疑派のモデルも温暖化論のモデルも人間起源の二酸化炭素の増加を考慮に入れなければ、現在の温暖化を説明できない。
現在起きていることを説明できる人と、説明できない人、どちらの予測をあなたは正しいと思いますか?
ちなみに、現在の温暖化論のモデルは1991年のフィリピンのフィナツボ火山噴火の影響を予測することに成功もしています。

二酸化炭素増加は気温上昇の結果だという主張もありますが、その主張通りなら現在25℃の気温上昇(単純すぎるけど、日本の夏場は55℃!?)になってしまいます。
また、化石燃料起源の二酸化炭素はC14という炭素同位体が少なく、その濃度測定データからも化石燃料起源なのが推定できています。