気まぐれ日記

更新は本当に気まぐれです。主にtwitterに書くには長いなと思ったネタを書きます。

神戸在住 10巻(完結)

神戸在住(10) <完> (アフタヌーンKC)

神戸在住(10) <完> (アフタヌーンKC)

とても大好きな漫画の最終巻がついに出た。

何回か発売が延期になってしまって、凄く待っていたんだけど、出てしまうと終わってしまうことがとても寂しい。

帯には
歩いてゆく。ゆっくり。
これまでも。これからも。

一生読み続けられる本。

と書いてあり、
おいらにこの本を紹介してくれた友人アンドレは

「人と人とのつながり」を非常に丁寧に、ときに厳しく、ときに優しく、一切の妥協をせずに正面から向き合って描いた傑作。

と、評していました。

どちらも非常に的確な表現だと思います。

この漫画は、新しい巻が出る度にこのブログでも、毎回紹介してきたけど、本当に好きです。

日常生活で、ハリウッド映画のような事件やドラマに巻き込まれることってなかなかないと思うけど、それでも日常生活はその人にとっての事件やドラマがたくさんある。

そんなありふれているドラマに満ちた大学生活の4年間を少し控えめで、多感な主人公の目線から描いた秀作です。


前にも書いたけど、この漫画の魅力はきっとハリウッドじゃなくてヨーロッパやアジアの映画。

ダイハードとかロッキーみたいなのも、もちろん好きなんだけど、おいらが友人とか家族と共有したいのはライフ・イズ・ビューティフルとか初恋の来た道とかワンダフルライフを好きという感情。

だから、いつか子供が出来て、少し大人になってきたら、この本を送りたいなって思う本のひとつです。


ここからは最終巻について。

いくつかの加筆・修正が加えられた最終巻は、これまでのまとめという感じになっています。

これまでのエピソードを受けて、しっかりと物語を完結させた印象を受けます。

連載が終わったのは一年以上前のことだったので、うろ覚えだけど、最終話も記憶にあるものより長くなり、まとめの色合いが強くなった印象。


最終話もとても印象的で良いけど、やっぱり良かったのは「挿話:日和洋次の視点」と「そして幸せな日向の記憶を」の二つのエピソードでしょうか。

彼に関するこの二つのエピソードはきっと、作者への読者に対する優しさでしょうか。

全体の読後感がとても気持ち良くなってる気がします。


もうひとつ、読後の満足度を高めているのはきっと「鈴木さんと私とないしょの夜の話」でしょうか。


こういったエピソードにより今までの話をしっかりと引き受けて、物語をきちんと終わらせている。

そんな印象の最終巻です。

少し、前の話を受けてのエピソードが多いので10巻を単独で読むことは他の巻に比べるとお勧めできないけれど、全体を読んできて読めばとても良い一冊です。


1巻は絵のが少し荒く、最初がとっつきにくいのは否めないのですが、2巻、3巻と読めばきっとこの物語の魅力がわかってくると思います。

気に入る人にとっては、最も好きな物語のひとつになるのではないでしょうか。


全10巻のとある大学生の日常を描いた優しさに満ちた物語。

なかなか本屋に置いてなかったりするけれど、便利な時代になったもんで、白馬にいてもアマゾンを使えば手に入ります。

興味を持った人は是非読んでみてください。


この物語の魅力を共有できる仲間ってなんだか嬉しい。

おいらにとってはそんな一冊です。