気まぐれ日記

更新は本当に気まぐれです。主にtwitterに書くには長いなと思ったネタを書きます。

自転車はどこを走る?〜続報〜


以前自転車はどこを走る?で書いた、道交法改正のお話。


街を歩いてて危ない運転の自転車にぶつけられそうになった経験は、誰しもあるのではないでしょうか。

自転車事故はこの10年で1.3倍に、中でも自転車対人の事故は4.6倍になっています。さらにこの状況は高齢化により歩道に高齢者が増えれば悪化することが予想されます。(お年寄りが危ないから街を歩かないなんて時代になったら別だけどね…。)


そんな中で現在車道を走ってる自転車さえも歩道に上げようと言う滅茶苦茶な法案が提出されようとしています。


こんな状況で歩道の自転車を増やせばどうなるかなんて言うのは言わずもがなですが、法改正を目論む人達は、流通業界の要請で道路の制限速度を上げたいらしく、その為に邪魔な自転車を排除したいと言うのが狙いらしく、滅茶苦茶な論理展開にもお構いなしです。


ざっくりと簡単に書くと、自転車事故、特に自転車対人の事故が増えてきたので道交法を改正しようという話があるのですが、その話の中で自転車事故の増加の部分だけを強調して、車道を走っている車にとって邪魔な自転車を歩道に上げちまおうと言う動きがあって、自転車ツーキニストとして有名なTBSの疋田氏を中心に自転車乗り達が反発してるんです。


制限速度の増加も基本的には良いと思うよ。実際、今の制限速度を守って走ってる車なんてそんなに居ないだろうし。


でも、都市部は別でしょ。狭い街中や住宅街で車が速いスピードで走るのは普通に考えて危ないでしょ。

環境問題を考えても、公共交通や自転車の利用を誘導する為に都市部ではあえて自動車を不便にするというのがこれからの方向性だと思うけどねぇ。

都市部の交通手段を歩行者に脅威を与えない30キロ以下に合わせるというのは、テンポ30と言われてるヨーロッパでは既に採用されてる政策です。


と、前置きがついつい長くなってしまったけどここからが本題。


この道交法改正が一般からの意見を募集しています。

パブリックコメント(警察庁)

上のリンクの「「道路交通法改正試案」に対する意見の募集について」というのがそうです。


問題となるのは3.(1)通行区分の明確化の部分。


一見するとまともな事が書いてるけど、これについては

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」 | melma!285号

に詳しく書いてあるので良かったら見てみて下さい。


自転車に乗る人にとっても、歩道を歩く人にとっても大きな問題だと思います。

良かったら反対意見を送って下さい。


反対意見の雛形としては、

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」 | melma!

の286号とその追加の286.2号に雛形があります。


ちなみにおいらはこんな感じで送ってます。

良かったら参考までに。


平成18年12月29日に公表された“「道路交通法改正試案」に対する意見の募集について”に対しての意見を送ります。


「3 自転車利用者対策の推進」の「(1) 通行区分の明確化」には、


「現在、自転車は、車道通行が原則とされ、例外的に道路標識等で通行することが認められている場合に歩道を通行することができることとされていますが、必ずしもこれによらず、自転車の歩道通行が言わば無秩序になされている状況が見られます。

そこで、自転車の通行区分について、車道通行の原則を維持しつつ、道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合のほか、児童(6歳以上13歳未満の者)・幼児(6歳未満の者)が普通自転車を運転する場合、車道を通行することが危険である場合等と、普通自転車が例外的に歩道を通行することができる場合の要件を法律で明確に定めることとします。

一方、歩道通行が認められる場合であっても、歩道における歩行者の安全を確保するため必要があると警察官等が判断した場合には、当該普通自転車の運転者に対して当該歩道を引き続き進行してはならない旨を指示することができる(指示に違反した場合には、処罰の対象となります。)こととします。」


と、ありますが、第2段は


「そこで、自転車の通行区分について、車道通行の原則を維持しつつ、児童(6歳以上13歳未満の者)・幼児(6歳未満の者)が普通自転車を運転する場合や高齢者が三輪自転車等を運転する場合等、自転車が例外的に歩道を通行することができる場合の要件を法律で明確に定めることとします。」


と言うように、例外とする要件を運転技術が未熟と考えられる年齢のみに限定するべきではないかと考えます。


理由

?道路標識で道路毎に規制する方法は、現状と変わらないのではないかと考えられますが、現状を見る限りでは、通行可であるかが分かり難い上に、標識自体が全く浸透しておらず、警察官でさえ誤った指導をするという事態が多々見られます。有効であるとは到底言い難いと思います。


?この改正が踏まえるとしている、自転車対策検討懇談会が平成18年11月に取りまとめた「自転車の安全利用の促進に関する提言」の4ページ下部には

「この10年で自転車関連事故は、1.3倍に増加しているが、このうち、自転車対自動車の事故は122,470件から152,287件と約1.2倍の増加であり、自転車対歩行者の事故は563件から2,576件と約4.6倍に急増している。」


と、自転車事故の増加の中で、特に自転車対歩行者の事故が急増していることが指摘されています。


このような現状を踏まえると、自転車の歩道通行は現在よりも厳しく制限されるべきです。

データは公表されていないようですが、現在の、「道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合」の自転車の歩道通行でも、違法に自転車が歩道を走っている場合と同様に事故は急増しているのではないでしょうか。

そうであるならば「道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合」自体を見直すべきであると考えます。


また、これらの自転車対歩行者の事故の事故において、特に問題となるのは高齢者が自転車にぶつかり大怪我をするという場合ではないのでしょうか。

そういうケースはこれからの高齢化を考えれば、現状より更に増えると考えられます。


このような現状で、「道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合」や「車道を通行することが危険である場合」という要件を入れることは、自転車対歩行者の事故が急増している現状を維持、更には促進する事につながるのではないかと考えるので強く反対します。


?「車道を通行することが危険である場合」について、自転車が歩道を通行することは、「自転車の安全利用の促進に関する提言」の「資料8・自転車マニュアル等における歩道通行の危険性の指摘」において、自転車が歩道通行をする事は対自動車事故の危険性を増やすという指摘がなされているのに対して矛盾すると考えるので強く反対します。


?交通ルールには“弱者優先の原則”というものがあるはずです。

「車道を通行することが危険である場合」に自転車が歩道を通行する事は、自転車よりも交通強者である、自動車を優先するやり方であり、交通弱者である歩行者や車椅子の人達を危険に晒す事になると考えるので反対します。


“弱者優先の原則”から考えるならば、現在の自転車が歩道を通行する事が歩行者に対して与える危険を第一に考え、自転車の歩道通行をまず規制するべきです。

次に自転車が「車道を通行することが危険である場合」の対策として、自転車の走るべき路側帯を広めにとり、ポール等により車道と分離する、それが出来ない場所や都市部では、自動車の制限速度を自転車や歩行者が危険を感じないと言われる30キロ以下に制限し、違反者への取締りを強化するといった対策を採るべきではないのでしょうか。