神戸在住
おいらの好きな漫画の話です。
- 作者: 木村紺
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/19
- メディア: Kindle版
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先月ぐらいに遂に月刊アフターフーンでの連載が完結した「神戸在住」
実家で飲んでた時に中高の友人あんどれが絶賛してたので試しに連載を読んでみたのがきっかけだったけど、今では最もお気に入りの漫画の一つです。
その漫画の内容はというと、完全な日常生活。
神戸の大学の文学部美術課に入学した絵を描く女主人公「辰木桂」が、卒業するまでの日常を淡々と描き続けるストーリー。
そこには大きな事件があるわけじゃなくて、日常のちょっとした出来事を丹念に描き出す感じがとても良いです。
誰もが経験した事があるだろう、サークルやクラスメイトとのちょと馬鹿な会話なんかがそこにはあってほっこり楽しい、優しい気持ちになります。
画風も変わっていて、スクリーントーンやベタを全く使用せず、文章を多用した絵日記のような雰囲気。それが独特の空気感を作っています。
そんな中でも、特筆すべきは日常の中の悲しい出来事の描写。
抑え目の演出で描かれる悲しみはリアルで、まさに胸を締め付けられます。
普通の漫画の悲しみが演出されたハリウッド式なら、これはまさにヨーロッパ映画や淡々とした邦画に描かれる静かで深い悲しみ。
独特の画風と相まって、かなり読む人を選ぶ漫画ですが、自分にあえば間違いなく最もお気に入りの漫画の一つになるだろう力をもった作品です。
ハリウッドよりもヨーロッパや邦画派の人は一度試してみて下さい。