8/16 縦走2日目後編(平蔵のコル〜剱岳〜剱沢・別山尾根ルート)
前編http://blog.so-net.ne.jp/tabi_kimama/2005-09-15の続き。
8時20分ごろ、休憩を終え、蟹の縦這いに取り付く。
噂に名高い蟹の縦這いは近くで見るとこんな感じ。
更に近づけば
案外足場があるのがわかる。足場の無いところにはボルトが打ってあるし慣れていれば鎖は殆ど使わずとも登れる。
んだけれど、ここで先頭を行くIさんが固まる・・・。
やばい・・・。こんな垂直壁で、下から間に2人挟んでは流石にフォローできない。
どうしよう。。。
後ろの人達も前がつまり、どうしたと心配そうに覗き込む。
辺りに不穏な空気が漂う。
と思っていたら、当のIさんは案外余裕。
固まったと思ったのもどう登るか考えていただけらしく、ゆっくり確実に登っていく。
本人曰く、流石にここは岩トレみたいに落ちてもいいからエイヤ!!でやったら危ない気がしたから。
あの〜、練習でも確実に〜・・・(--;)
今更ながらの言葉にちょっとびびる。
まぁ、それでもそこは3回生、ゆっくりと確実に登っていく。
縦這いを登り終えて横から撮った1枚
まさに垂直壁である。
縦這いを終えても厳しい岩場はまだ続くが、そこを超えて、横這いの分岐路を過ぎればあとは普通の岩くずの稜線となる。ここまでくれば一安心である。
ピークへの道はまっすぐピークに行くルートと早月尾根からのルートと合流するルートがあるが、お勧めは左側。早月尾根と合流するルートである。
その理由は合流点のころに良い感じの道標が立っているから。
あまりに良い感じなので2枚ほど撮ってみた。
どう?雲の上の道標ってなんとも幻想的でしょ。
そんな道標を過ぎると目指すピークはもう目の前。
9時、剱に着き昼食を食べる。
残念ながらガスが多くて日本海は見えなかったけど、ガスの晴れ間から、剱沢方面はとても綺麗に見えた。
やっぱり山登りは良い!!
スリルのある道を来ただけに風景も格別だ。
50分ほどピークでのんびりして、10時前に下山し始める。
来た道を戻り、縦這いと横這いの分岐までくる。
ここは登りは縦這い下りは横這いの一方通行。厳しい道を横這いに向かう。
横ばいは下から撮るとこんな感じ。
岩にある割れ目を鎖に捉りながら文字通り蟹の様に横に進むのだが、その岩の割れ目に一歩目をかけるのが難しい。結構垂直に近い角度のため、足探りで行くか、手前の足場に足を置き度胸良く壁から身体を離さないと割れ目が見えない。
下は勿論、落ちたら終わりの超急傾斜。さすがにおいらもここは緊張した。
鎖をしっかりと握り、びびりながらも身体を離して、足下を見ながら慎重に進む。
そこを過ぎると今度は梯子だ。
ここも取り付きが少し怖い。
見ての通り、梯子と足場の間が空いているのだ。
それぞれ自分なりのやり方で向こう側へとわたる。この梯子は結構長い。それでも昔は二つに分かれてたのを一つにしたというのだからありがたい。正直こんな場所で梯子を乗り換えるのは嫌である。
梯子を過ぎると、更に岩場がある。結構角度は急だが、横這いで感覚が麻痺したのか楽勝で抜けられる。
そして岩場を過ぎれば、トイレの建物のあり、もう平蔵のコルの上の部分である。
とそのとき、クー、クーといった感じの奇妙な鳴き声が聞こえる。何だろうと思って見てみると雷鳥である。
今子育ての真っ最中のお母さん率いる5人家族。
北アルプスに来たのは3度目だが遂に見ることが出来た。
前から一度は見たいと思っていたのでとても感動する。
声に気付いたIさん、ありがとう。
高山植物を突きながらとことこ歩いてく様子がとても可愛い♪
平蔵のコルで10時半から10分ほど休み、雷鳥を堪能して帰路に着く。
ここから見る平蔵谷の雪渓もとても良い。
平蔵のコルから前剱の手前までも、行きと帰りは別ルートになる。
帰りも行きに劣らず、ハードな道だ。
でも、行きよりはみんな大分、余裕があるようだ。横這いで度胸がついたのか、怖がらずに行くので見ていても安心だ。
そんなわけで、余裕も出て帰りは写真をとったりしながら楽しく帰る。
12時ごろ前剱を過ぎ、13時には剣山荘に戻る。そこでお土産を物色し、13時45分剱沢テントサイトに戻る。
写真:あそこに行ってきたのかぁ。
最後に昨日は撮れなかった、昼から夕暮れのシルエットになるまでの剱岳。
この山は本当にカッコ良い。シルエットもとても好きである。