気まぐれ日記

更新は本当に気まぐれです。主にtwitterに書くには長いなと思ったネタを書きます。

8/12 プレ最終日(涸沢〜上高地)


今日も3時起床、といっても寝起きの悪いおいらはもう少し後にのそのそシュラフから這い出ているのだけど。。。

外は昨日の夕方からつづく雷雨。そんな中、今日は昨日の夜の話から。


真夜中。といっても山時間の話なので、時計を見なかったし、もしかしたら10時くらいだったのかも知れないけど、突然の轟音に目覚める。

雷!?と思った音は上の方からテントへ迫ってくる。

直撃かと思わず緊張した瞬間、その轟音はテントの脇を抜けて涸沢へと降っていく。

遠くなってようやく分かったがどうやら巨大な落石が脇を抜けて行った様である。。。

しばらく谷に反響音が響くほどの落石。

一体どんなサイズの岩が落ちていったのだろうか。


実はこの涸沢あたりは、かなり崩れやすい岩石の質らしく(穂高連峰は全般的にそうかな。)、一日いれば5〜6回は落石の音が聞こえてくるような場所なのだけど、昨日の夜は、大雨の為か特大の落石があったようである。

どのくらいのサイズだったのかは分からないが、音から察するに北穂沢から涸沢へと抜けて行った様である。

かなり遠くまで落ちていったような音がしたのを考えると、それなりに慣性力のある程、大きな岩だったのだろう。

音を思い直すとそれがバウンドしながら脇を抜けていった様なのだ。

脇を抜けたときはあまりの轟音っだたのでどのくらいの距離を抜けたのか見当もつかないが、多分、岩がバウンドしたような音がしたことを考えると、イレギュラーバウンドをしたら死んでいたかも知れない。。。。

そんな距離ではなかったのではないのだろうか。


しばらく呆然とする・・・。


ふとテントの中を見ると同様に呆然としているF君と目が合う。

夢の中の出来事ではなかったようだ。


目が合ったことでなぜか少しほっとして我に返る。

取りあえず当たらなくてラッキーだった。

その後も神経が張ってしまったのか、落石のような音には敏感になってしまい、眠れない夜となる。

熟睡しているIさんとY君が羨ましい。


そんな訳で朝方、どうにか一眠りして、寝不足状態で目覚める。

雨は降り続く。そしておいらの持つべきテントは水を吸い、重くなっている。それでも今日は最終下山の日だ。朝食を済ませ、この雨でも下山には支障がないことを小屋で再確認する。厳しい一日になりそうである。


5時半ごろ準備を済ませ小屋をでる。下りの道は道というよりは沢。泥水がどんどん流れていく。。。そんな中を滑らないように慎重に降っていく。

来るときに休憩した河原も今日は濁流の中である。沢の増水の怖さを横に見ながら進む。昨日、落ちて行った岩もどこかにあるのだろうか。

登山をやっていればこんな日もある。仕方ない事とは分かっていても土砂降りと背中の重みにそして雷の音に徐々に下がるテンション。重さが効いてるためペースが上がらない。ただひたすらに耐えて降りる。


7時ごろ要約、本谷橋を過ぎたころ、天候が回復し、雷がやみ、雨も弱まる。おいらのテンションも徐々に回復である。それにしても背中の重さが減らない。雨に濡れたテントは、普段ならザックの底に入れておけば、徐々に重みで水が抜けて軽くなるのだがその気配がない。

今日は寝不足だから疲労が激しくて、軽くなってるのに気付かないのかなどと思いながる進む。

この辺りは深い針葉樹林の中の沢沿いの道なのだが、この時の霧雨に煙が浮かび、深山幽谷水墨画の世界である。こんな景色が見れるなら悪くも無いかななどと思いながら進む。来るときにはなんの問題も無い場所も、雨が降ればちょっと注意を要する道になる。天候の変化はやはり怖い。


7時45分ごろ、要約、横尾に着く。

やはり背中が軽くならないのでテントを出してみる。

何てことだ、見るとテントを入れてる袋の中に水が溜まっており、袋の口を下にするとどんどんと水が出てくる。

出発直前に、ぼろぼろの古いテント袋から買い換えたのが仇となったようである。普段の袋なら、防水などとっくに駄目になっているので水が袋から染み出るのだが、今回の新しい袋はしっかりと防水をしてくれたようだ・・・。


あまりの凡ミスに、かなり凹んだが、まぁ、くよくよしてもしょうがないので行きがけに目をつけていた手拭いを買う。



今回行ってきた山荘から西側の山々をデザインした手拭いである。

たまにはこんなのも思い出深くて良いかもしれない。


のんびり休憩して、その間、口を下に立てかけたテントからたっぷりと水を絞り出すとテントは要約、いつものように軽くなりだす。

しかし、おいらのザックは2気室、上下に分かれてるタイプなので下の段には横向きにしかテントは入らない。ピッチごとに重さで減らすしかないらしい。


行きも長く感じたロードは帰りもやはり長い。どうも、この道は重い荷物を背負っていくのには向いていない気がする。重い荷物はほぼフラットな道でも長距離歩くと結構足に来る。。。このコースは荷物が軽ければ起伏も少なく楽なのだろうが、その分距離が長い。

長い、長い、なが〜〜〜〜〜いいぃぃぃぃぃ!!!!!!


という訳で、今日はかなり足腰がやられる一日でした。その後は9時ごろに徳沢で昼食、11時ごろに明神と行き、明神辺りを観光して12時過ぎ上高地バスターミナルに着きました。みんなで下山の記念に温かいおやきを食べて、後はバスと電車で松本へ。バスの道は途中あちこちに土砂崩れのあとが見えて自然の驚異を感じる道でした。今年は雨が多かったのでこの辺りは随分、酷かったようである。


そのまま松本に戻り、今日もステビバでございます。今日ばかりはステビバでも熟睡したけれどね。


涸沢は良いテン場なのでぜひともまた行きたいし、多分また行くのだろうけど、落石はちょっと怖いなぁと思う旅でした。

4泊5日。新入生には初の長期合宿ですが、体力も危険箇所通過の技術も鍛えられて、なかなかよいプレになったのではないでしょうか。

練習も兼ねて来た鎖場通過も特に問題ないし、本番では天候さえ許せば憧れの剱に登れそうです。楽しみだなぁ♪