気まぐれ日記

更新は本当に気まぐれです。主にtwitterに書くには長いなと思ったネタを書きます。

8/11 プレ4日目(涸沢〜北穂)


3時起床。雨は降っていない。予報では午後から悪化傾向なようだが、今のところ天気は上々だ。朝食を済ませて4時45分くらいに出発する。


今日は北穂への道。涸沢小屋の脇から北穂沢に入る。

岩くずの沢の脇の急登。ちょっと早めのペースで登っていく。

しばらく行くと道は左の尾根の方に入り、そこからは南陵へ向けていくつかの涸れた沢を渡り斜めに登っていく。

この辺りから道は少し岩がちになる。ちょっと雨の日には遠慮したいルートだ。


そして南陵の取り付きに来るとちょっと長めの岩場と梯子がある。ここが北穂への道の一番の核心部。



縦に長い一枚岩だが、ステップが切ってありそれなりに練習していれば、乾いている時は鎖など使わなくても余裕。ただ、やっぱり奥穂よりは少し厳しめであり、天気が悪くなる前に帰って来たいなと思わせる道だ。


そこを抜け、6時ごろ南陵にのる。そこからは道は少し簡単に。

ふと北を見ると北穂東陵、通称ゴジラの背といわれる辺りが目に入る。



えっとルートは確か稜線上ですよね・・・。どこですか一体!?

改めて九大山岳部の方々のレベルにびびる。。。


もう1つくらい岩場を抜けると、北穂南陵のテラス、テントサイトに着く。

雷の日はやばそうだが中々気持ちの良さそうなテン場である。



この辺りからは奥穂〜吊尾根〜前穂の辺りが凄く綺麗に見える。


そこからも岩場はあるがたいして気を使うような所もなく、7時半ころ、北穂に着く。北穂の頂上の看板は向きが変えられるのでどちら向きにも写真がとれて便利である。



ここからの大キレットの眺めは最高と聞いていたが、本当に美しい!!

キレットから南岳、槍の美しさを一度見ると、北穂小屋に泊まりたいと本気で思うことだろう。この景色が朝焼けや夕焼けに染まったら・・・。一度は見たい景色だ。


北穂小屋前でのんびり休憩をしてお土産を物色。そこでちょっといい感じの手拭いを発見。日本一入手しずらい手拭いの一つかなぁ、これは話のネタに良いかもなどと思いながら、手拭い好きの友人2人の分と合わせて3枚購入。



なかなか可愛くてよいでしょ?


この前、味を占めた牛乳を買い、みんなでしばらく休んでいると次々と大キレットを超えてきた人が来る。小屋まできてハイタッチを交わす人々。やはり厳しいコースだったようでみんなやり遂げた満足感からかテンションが高い。

特に昨日が雨だったため、南岳で足止めをくっていた人が多かったようで、次々と人がついては歓声をあげる。こんな人を見ていると羨ましくなってくる。一度は行ってみたいなぁ大キレット

でも西穂稜線はこの大キレットを余裕で行けるようなレベルの人しか行けないと言うのだから凄い所だ。今のところ大キレットには興味があるけど、西穂稜線はちょっと行く気がしない・・・。

機会があれば槍から大キレット、奥穂、吊尾根、前穂、岳沢という縦走をしてみたいものだ。


今回のもう一つの目的は滝谷を見に行くことだったので、小屋で情報を聞き出発する。小屋の直下から崩れやすそうな岩質の急降である。大キレットから来る人が登ってくるので落石を起こさないように慎重に降りていく。途中すれ違った方から、ついさっきこの先でどなたかが数中mほど滑落したとの話を聞きテンションが下がる一同。

急降を降り切ると、道は左へ折れて、傾斜はゆるくなる。

小屋の方の話では15分くらいということだったのでそろそろかと思いながら岩棚を探すがなかなか見つからない。

他のメンバーはさっきの滑落の話もありそろそろ帰りたいという子もいたので、どのくらい先なのか、一人で探しに行くことにする。


最初の急降さえ過ぎてしまえば道はしばらくは楽々である。

道から少し左に入ったところにあるという岩棚を探しながら5〜10分ほど歩くと細い稜線上に道が戻る。

そこで、突然目の前にそそり立つ岩の壁。



細い稜線で風が強く吹いているのもあり、ちょっと足元がすくむ光景である。上手くいえないけど物凄く迫力がある。魔物でもいそうな感じだ。

岩棚は道が稜線に戻った辺りということなので、この辺にあるはずなのだが良く分からない。ここから先はちょっと新入生には厳しそうなのでそこで引き返す。


戻ってみるとあちこち岩棚を探したりしているうちに、30分程経ってしまったようで、他のメンバーはすっかり気持ちがなえてしまったようだ。

そこから先には危険箇所は無かったのだが、もう戻りたいという話なので、引き返す。時間が無かったので数枚ながら写真を撮っておいて良かった。あの迫力を見せたかったが残念である。


戻り途中、滝谷の方を覗いてみると足元に信じられない文字が。「*沢入り口」と書いてあるのだ。何沢と書いてあるのかは良く分からなかったが、そこから見える景色はこれである。



地獄の入り口と書いてあったほうが納得がいく景色だ・・・。

どこがルートなのか見当もつかない。。。

改めてバリエーションルートの恐ろしさを知る。山岳部ってすげぇぇぇ!!!!


小屋に戻るともう9時半前。せっかくなのでと北穂のピークで昼食にする。小屋で会った方によると先ほど滑落された方は幸いにも怪我で済んだそうである。

知らない人の事ながら、良かったねぇとみんなで話しながら食事をしていると突然小屋のお兄さんが険しい表情で走ってくる。

何事かとびっくりしていると、これからヘリが来るから、帽子を取って荷物をしっかり押さえてと言われる。今一、事態が飲み込めないまま言われたとおりにすると、北穂のピークの看板に走りよりそれを引っこ抜くお兄さん。

びっくりである!!看板がなくなった状態で周りを見渡して要約、事態を理解する。真ん中あたりに看板が立ってるので気付かなかったが、この広さので水平で小屋に隣接する場所。どう見てもここはヘリポートなのだ。

あの看板は360度景色が良いから回せる訳ではなく、ただ単にヘリポートとして使う時ように抜けるようになっていたのだ。ヘリポートのなかでのんびり飯を食っていたおいら達。そりゃあ、小屋のお兄さんも飛んでくるわな・・・。

その時、突然ヘリの爆音。真上近くに来た途端に巻き起こる突然の突風。目を開けるのもしんどいような風だ。ヘリポートに気付かず食事を取っていた他のグループもみんな必死である。

颯爽とやってきたヘリの兄さんは小屋の兄さんに小さな荷物を渡し去っていく。何かと思い見ると、以前テレビで見た、長野の山岳警備隊の人が要救助者を背負うための道具である。

小屋の兄さん、これから滑落した人を救助に行くらしい。

スゲェ・・・。あんな厳しいところからルートを外れて、更に人を背負って帰ってくる。

おいらの実力ではとても出来ませぬ。2次災害を起こすのが落ちです。凄いです。カッコいいですお兄さん!!!

ヘリが去っていくと、協力ありがとうと一言残し、颯爽と去っていくお兄さん。ヘリポートに気付かず飯を食っていたまぬけどもに、ありがとう、とは。最後までカッコいいお兄さんである。


その後は午後になって天気が崩れると嫌だったので、早めに食事を済まし、来た道を戻る。11時半ごろ南陵を抜け、12時半過ぎにはテン場に戻る。雨が降る前に下山できて本当によかった。


帰りがけに、撮った高山植物達。緑色の花などもあり、個性的でとても綺麗だ。ちなみに最後の写真の紫色のはトリカブトです。長野や北海道辺りの山に行けばどこでも普通に咲いています。


参考時間 4:45涸沢T.S. 5:55南陵取り付き 7:35北穂北峰ピーク 8:50滝谷 9:20北穂北峰 11:20南陵取り付き 12:40涸沢T.S.