気まぐれ日記

更新は本当に気まぐれです。主にtwitterに書くには長いなと思ったネタを書きます。

ライブハウスのノルマについて

ライブハウスのノルマ制度に対する批判があると聞いて少し調べてみたけど、私が調べた限りでは、ライブハウスは出演者に使用料を科し、集客に応じて出演報酬を支払っているようだ。この損益分岐点をノルマと呼んでいるらしい。

ノルマ以上に集客すれば稼げるし、ノルマ以下だと支払いをすることになる。

(本来の意味のノルマは、もっと義務的な意味が強く、それ以上に働いて(稼いで)も報酬は増えないニュアンスがある気がするが・・・)

 

ライブハウスのやり方は、とても普通に感じる。

これで問題があるなら、使用料の設定と出演報酬の設定の問題だろう。

興味を覚えたので、少し考えてみよう。

 

まず、前提として、ライブハウスには競争原理が働いていると仮定してみる。

つまり、ライブハウスが平均的にかなり儲かる状況なら、新規参入があり、儲けは適切な水準に下がり、赤字ならば、ライブハウスが潰れることで、儲けは適切な水準に調整される。

 つまり、ライブハウスに競争原理が働いてるときには、平均的なライブハウスはそこそこの利潤で営業していることになる。

このとき、問題となるのは出演者の数と、お客の数の関係になる。

 

ケース1

お客に対して、出演者が過剰な場合。

これは、出演者の平均値は、ライブハウスの運営費を賄えるほどの集客力がないというケース。

この場合、ライブハウスは、お客から稼げない分、使用料を高めにして、出演報酬を低めにすることになる。

そうすることで、出演者には厳しい環境が現れ、出演者が減るか、出演者が努力によりお客を増やすことで、お客と出演者の数が適正な水準に調整される。

念のために書くと、このケースで、出演者のお客が増えた場合、使用料と出演報酬の関係が改善されなければ、他のライブハウスが出演者により良い条件を提示して利益を得るチャンスがあるので、使用料と出演報酬の関係は適切な水準に調整される。

 

ケース2

出演者に対してお客が過剰な場合。

これは、出演者の平均値は、ライブハウスの運営費を賄える程の集客力があるケース。この場合、ライブハウスが使用料を高めに設定すれば、出演者は他のライブハウスに逃げるので、ライブハウスは使用料を低めにし、出演報酬を高めに設定することになる。

条件が良いため、出演者が増えると考えられるので、お客と出演者の数が適切に調整される。

 

仮に市場原理が働いた場合の想定はこんな所かな。

さて、「ノルマ」がきついというケースが現れているなら、状況はケース1だよね。

「ノルマ」問題が本当に生じているのならば、この状況で市場原理が働いていない要因があると推測される。

 

ざっと思いつく可能性は2つ。

一つは、出演者が高い使用料と低い出演料の関係を未来への投資(あるいは夢を実現するための投資)と考えていて、受け入れてしまうケース。

この状況では、出演者は減らないので、お客を増やせない限り、ノルマは過大に設定されることになる。

もう一つは、出演者はお客が増えた後に、高い使用料と低い出演料が続いても、もっと条件の良いライブハウスには移動しないというケース。

まあ、言うなれば義理人情ケースかな。

この状況では、ライブハウスは適正水準以上の利益を得られるけど、出演者が移動しない以上は、新規参入は難しい。つまり、当初の市場原理が働いているという仮定が間違っているケース。

起こっているのはこの辺りな気がするけど、どっちなのかな。

 

前者なら、赤字のライブを実施するのが本当に未来への投資になっているのかという問いが重要な話になるだろう。

後者なら、義理人情を通すことは、結果的には市場を歪めることになり、高い使用量と低い出演料の関係を維持する可能性がある訳だけで、出演者全体の利益になっていない(その分、後輩バンドが苦労している可能性がある)のだけど、その点を認識できているのかという話が重要な話になるだろう。

(義理人情は、感情的にはとても理解出来るので難しい判断だけどね)

 

まあ、問題が生じてるとすると、この辺の複合した要因で、生まれてそうだと推測される。

 

だからどうするというのは個人の判断でしかないけど、起こってそうな状況を認識するのはきっと有益なのでないかなと思い書いてみた。

 

中の人の実感と合うのかは、今度、弟にあったら聞いてみよう。