プラネタリウム
- アーティスト: BUMP OF CHICKEN,藤原基央
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2005/07/21
- メディア: CD
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確か7月ぐらいに出たのでもう2ヶ月以上前だけど、その間、家に殆ど居らず、世俗の情報からは隔離されていたおいらにとっては立派に新曲。
って言うか、一ヶ月以上も情報から隔離されてると新曲がやたらと出てるので、最近は色々借りて家に居るときは何か流してる。
その中でもお気に入りなのがプラネタリウム。
バンプの曲はとても詞が好き。
物語の中にメッセージや想いみたいなのが詰まってて、その想いが展開するストーリーのなかで隠喩に託されてる。
そして、それはきっと難解なメッセージでなくて、誰にでも分かるように簡単に何かを想像できるようになっている気がする。
最初、聞いたときにはただのストーリーの中のものだったのが、隠喩を意識しながら何度も聞いていると、何かに置き換わっていく。
きっと、人によって、そのときの自分によって、浮かぶものは違うのだろうけど、思い浮かぶものが違っても、きっと伝わってくるメッセージは同じなんじゃないのかな。
隠喩を上手く使ってるから、そこに聞いた人の生活が入って、歌われてるメッセージを身近にしている気がする。
プラネタリウムはきっと自分の中に仕舞い込んだ想いや願い、夢について歌っている歌だと思う。
他の人にはどう聞こえるのかな?
試しに、おいらが聞いてて思い浮かべるストーリーを書いてみる。
1番で思い浮かぶのは何となく少年から青年に変わる年頃。
4畳半の心の中に、おぼろげな夢が形作られていく。
でもそれは照れくさくて人には言えないでいる。
2番に入ると思い浮かぶ姿は少し成長して、高校生か大学生ぐらいかな。
少し空想癖のあるような青年。
少し大人になったのか、現実から目を逸らしたのか、夢を「夢」として心の中の世界にだけ閉じ込めて、時々想いにふけり、幸せな空想を楽しむ。
時々、ちょっと電車男みたいな状態の主人公が思い浮かぶときもある。
そして2番のサビの最後からは、彼は夢を思い描く事で簡単に得られる幸福は、自分の中だけの幻想でしかなく、現実では何にもなっていない事に気付いてしまう。心の中の世界から出てしまい、現実と向き合い、そのことを後悔すらする主人公。
でもこの後の3番が素敵。
3番になると彼は誰もがするように、夢見がちな世界から現実の世界へと踏み出す。
きっと周りから見たら地に足が着いた人に変わっただろう。
普通ならそうなった時から、段々この「夢」にはきっと「昔の」って言葉がついて、みんな自分のそれから現実を見つめて、新しい夢とともに生きていく。
でも彼は現実の中にありながら、心に「昔の夢」をまだ置き続け歩き始める。
「存在しない星を探す、心がプラネタリウム」っていう部分が何かそんな宣言をしているように聞こえる。
きっとそれは、想いが消えてくれないからかも知れない。
でも現実と目を合わせながら、叶わなそうな夢に向き合う事ってなかなか出来ない気がする。「昔の」をつけて忘れようとする方が賢い気がするし。
でも、そんな時、心の中の「夢」は、そして自分のどこかは涙を流している気がする。
だから、現実を生きていきながらも、彼はその夢の居場所を探し続けることにした。
きっと、その居場所は夢を叶える事ばかりではない気がする。叶わなくても、ただ「昔の」として処理するんじゃなくて、今の自分の中にその夢の居場所を探したい。
この歌を聴いていると、そんな、ちょっと青臭いって言われそうなメッセージがおいらには聞こえてくる。
でも、こんな青臭さおいらはとっても好き。
自分の持ってた夢だもの。叶わなくても、思い出の中でない居場所は見つけてあげたいよね。