8/21 縦走7日目 (薬師峠〜薬師沢〜雲ノ平)
今日は雲ノ平へ。
6時前、明るくなるのを待って出発。
背中がずしりと重い。何だかスロウとか素早さの落ちる魔法をかけられたようだ。
そして出発直後、最後尾を歩くおいらはみんなに置いてかれる。。。
朝一で、まだ脂肪も燃えず力の出ないおいらはきつかったので下を見ながら一歩一歩、歩いていた。
そして、ふと顔を上げたらみんながはるか先に・・・。
話に夢中なのか、声を上げても気付いてもらえない。
ちょっと泣きそうになった。あり得ない。。。
諦めてペースを上げてしばらく進むが全然追いつかない。。。
むしろ離れていく。。。。
気付かずに先を行くメンバー。
しんどさから、そして追いつけない自分への苛立ちから、頭に血が上ってくる。
そしてようやく気付いて止まったメンバーに
ペース速いかな?
と聞かれるなり、
速いよ!もっと後ろ見て歩いてくれよ!!
とキレてしまった。。。
最悪だ。。。
しんどいのはみんなも一緒である。
少し荷物が重くなったくらいでイライラしすぎである。
もっと普通に、今日は少ししんどいのでペースを落としてくれと頼めばよいのに。。。
いつもながら、自分に余裕がなくなるととても弱い。
すぐにイライラしてとても攻撃的になったり自棄になりやすい。
相手が弱い人だったりしんどそうな時は、イライラしないで逆に頑張ろう、何とかしようという気になるのだから、きっとどっかで無意識に甘えているだけなのだろう。あたられる相手からしたら最悪である。
それもこれも後から思う事で、この時にはそんな事も気付かずに旅は先に進む。
Iさんあの時はごめんね。。。
しばらく歩けば身体も慣れて余裕が出てくる。途中で思ったより大分早く雨が降りだしたのに頭が一杯になったこともあり、イライラはどこかに行ってしまった。雨は直に止んだし、今思うと調度良かったかも知れない。
道は沢への出会い手前で少し歩き辛い場所もあるが、後は大体歩きやすい木道で8時半頃に薬師沢小屋に着く。途中の木道は休憩できる場所が少ないのでベンチで早めでも休むようにしたほうが良いだろう。
さてこの薬師沢小屋のご主人。実はうちの大学のOBである。山岳部だったとか、ワンゲルだったとか言う2つの噂を聞いていたが、真相はワンゲルに2年、山岳部に3年居たそうである。
まぁ、上がっていきなっせ、というご主人の声に甘えて小屋の食堂に案内していただき、コーヒーとクッキーまで頂き話に花が咲く。
岡大が中四でやるスタンツはこの頃からあったらしい(笑)
ロードマンとか、今やっている馬鹿な事は昔からの伝統なんだなぁ。
小一時間程話して、その辺は岩を裏返せば岩魚が居るよというご主人の言葉にしばらく川遊びをする。
しばらく遊んで出発。つり橋を渡るとその先は雨が降ると増水して渡れなくなる場所。行ってみるとなるほど。ここは増水したらいちころだ。
さて行くかと出発しようとするとご主人が小屋から出てくる。
ちょっと待っていなっせ。
一言残し釣竿を持って行くご主人。10分程して戻ってきた時には、岩魚を2匹持って来てくださる。
あり難い!!これで今日の夕飯は岩魚付きである。
頭以外は骨もフライにしちゃえば食べられるからとのお言葉。しかも夜までもつようにはらわたの処理までしてある。
釣竿をもって見送ってくれる格好良いご主人。
ほんとにありがとうございました。
その後は噂のど急登。
1時間半程こんな手足を使うような登りが続く・・・。
これがあるから、今日はテントを持ったのだけど、まさかこんなあほな登りだとは。しかも地図通りにひたすら直登!!九十九折とかじゃないのねここは・・・。
いや調べて直登とは知ってたけどね。どうせ少しは折り返すだろうと想像するわけですよ普通。でもここは文字通り、直に登る。
・・・想定の範囲外です。。。
頭の上で星がピヨピヨ・・・。
バテバテ状態でどうにか登りきる。
10時過ぎに出たのが、登りきり木道につくともう12時過ぎ。
早速昼飯です。
今日の昼飯はシリアル。
スキムミルクでつくっても美味しいねぇこいつは。
普段、お菓子ばかり食ってたのがアホみたい。これは良い!
軽いし嵩張らないし美味しい。まぁ味にもよるだろうけど、これは研究しがいのあるメニューです。
昼食を食べたっぷり休み、13時前に出発。
ハイマツ帯をいくとすぐにアラスカ庭園、奥日本庭園などが見えてくる。
確かに庭園のようだ。自然の作り出した景観がとても美しい。晴れた日ならきっと奥には黒部五郎岳などが借景として見えるんだろうな。花ももっと早い時期なら・・・などと想像が膨らむが、今日はあいにくの天気だ。
まぁ、それでも十分に美しい。が、やはり、今度は晴れた日に来たい。そう思わせる風景だ。
その先は祖母岳へピストンをかける。このあたりはまさに日本庭園のような風情だ。
テン場はもうすぐなのでのんびり進むと、こんなところで居ました雷鳥。
餌の高山植物をのんびりついばむ親子。もうどちらが親か分からぬ程でかい。
書かなかった日もあるが、実はこの旅はもう6日連続で雷鳥を見ている。
去年までは1度も見られなかったのだから不思議なものだ。
14時半ごろ雲ノ平山荘に着く。とても良い手拭いがあったので2枚ほど購入。
写真はカメラが復活したらまた。。。
テン場に行くと地元で付き合いのある鳥取大さんと久しぶりの再会。
天気が悪かったので少しだけ話して天気図&夕飯にする。
天気図をとって見ると、太平洋高気圧は完全に弱まり、台風11号は順調に近づいている。さらに東の熱帯低気圧も怪しい動きをしている。
想定していた中で最悪に近い動きだ。。。
良くても温泉か槍のどちらかしか行けないだろう。ここは北アルプスでも有数の奥地。1日で下山できない。今後の情報しだいでは、すぐ下山できる双六までは行かざるを得ない。
その上で余裕があったらどっちに行きたいかを確認。
みんな槍ヶ岳とのことである。双六までのルートは疲れを考慮して全て巻き道のルートで行く事に。
取り合えず最長で後3日となったので今日は余る食糧を重いから馬鹿食いする。
岩魚もあったので今日は本当に贅沢な食事であった。
岩魚は骨まで美味しく頂き、そのあと具沢山カレーを食べて今日は満腹で終了。
明日もきついけど頑張ろう。